congatecがAMD Ryzen™ Embedded V1000プロセッサを搭載したCOM Express Type 6を発売

新しいAMD Ryzen組み込みプロセッサは競合ソリューションの3倍のGPU性能を実現

Tokyo, Japan, 20 March, 2018  * * *  組み込みコンピュータモジュール、シングルボードコンピュータ (SBC)、および、組み込み設計と製造サービスの大手テクノロジー企業であるcongatecは、新しいAMD Ryzen™ Embedded V1000プロセッサを搭載したconga-TR4 COM Express Type 6を発売します。ハイエンド組み込みコンピュータモジュールの新たなベンチマークを設定するAMD Ryzen™ Embedded V1000プロセッサは、競合ソリューションの3倍のGPU性能と、前世代の2倍の性能を実現します 。12Wから54Wに拡張可能なTDP (熱設計電力) により、これらの新しいプロセッサを搭載したcongatecの製品は、TDP全域にわたる多次元的な性能向上と、グラフィックス性能が高い場合のサイズ、重量、出力、コスト (SWaP-C) の大幅な最適化にも対応が可能になります。

 

新しいcongatec COM Expressベーシックモジュールは、医療画像、本格的な放送、インフォテインメント、ギャンブル、デジタルサイネージ、制御室、ビデオ監視、光学品質制御、3Dシミュレータなどの用途に優れたグラフィック性能を備えた組み込みコンピュータシステムを開発するために設計されています。その他の用途として、位置認識を最適化するためにディープラーニングを使用するスマートロボティクスや自動運転車などがあります。

 

「高性能4K UHDシステム設計は、以前は54Wで実行していましたが、今ではグラフィック性能を損なうことなく、半分以下のTDPで実行できるようになっています。その結果、アクティブ冷却システムのSWaP-Cメリットをすべて享受しながらアクティブ冷却システムをパッシブ冷却システムに置き換えられるようになりました」と、congatecの製品管理ディレクター、マーティン・ダンザー氏 (Martin Danzer) は説明します。「新しい15 モバイルシステム設計は、優れた4Kディスプレイと卓越した3Dグラフィックス品質により、素晴らしい体験をユーザに提供します。

 

「今日の組み込み市場向けの最もパワフルなx86アーキテクチャを発売するにあたり、congatecとの提携を非常に嬉しく思います」と、AMDの製品マーケティング・データセンター・組み込み事業グループのディレクター、ステファン・ターンブル氏 (Stephen Turnbull) は話しています。「コンピュータ・オン・モジュール (CoM) フォームファクタは、組み込み製品の重要な基盤です。congatecは、最先端のグラフィックスと卓越したCPU性能を提供する AMD Ryzen Embedded V1000プロセッサを搭載した柔軟性の高いCOM Express Type 6 設計をOEMに提供することで、当社の顧客ベースの拡大に寄与しています」。

 

機能群の詳細

COM Express Type 6ピンアウトに対応した新しいconga-TR4高性能モジュールは、最新のAMD Ryzen™ Embedded V1000マルチコアプロセッサを搭載しています。これらのモジュールにより、プロセッサ性能が最大52%向上します。動作周波数は最大で3.75 GHzに達します。また、対称型マルチプロセッシングのおかげで、とりわけ高い並列処理性能も提供します。さらに、最大容量32GB、最高速度3200 MT/sのエネルギー効率に優れた高速デュアルチャネルDDR4メモリと、最大のデータセキュリティを実現するオプションのECCをサポートします。

 

最大11台の演算ユニットを装備する新しい組み込みAMD Radeon™ Vegaグラフィックスは、組み込みグラフィックスの最先端です。最大 4K UHD の解像度、10ビットのHDR、3Dグラフィックス対応のDirectX 12とOpenGL 4.4を装備した最大4つの独立したディスプレイをサポートします。組み込みビジオエンジンは、ハードウェアで加速化されたHEVC (H.265) ビデオのストリーミング を双方向で実現します。HSAとOpenCL 2.0をサポートすることにより、ディープラーニングのワークロードを GPU に割り当てることができます。安全が重要なアプリケーションにおいては、組み込みAMD Secureプロセッサはハードウェアで加速化された RSA、SHA、AESの暗号化・復号に寄与します。

 

新しいconga-TR4はまた、10 Gbit/sのUSB 3.1 Gen 2 (第2世代)、USB Power Delivery、DisplayPort 1.4を含め、キャリアボード上へのUSB-Cの完全実装を可能にするcongatec初のCOM Express Type 6モジュールでもあります。これにより、例えば、1本のケーブルで外部タッチスクリーンを接続できます。さらに、性能を重視したインターフェースとして提供されているものとして、1つのPEG 3.0 x8、4つのPCIe Gen 3、4つのPCIe Gen 2、3つのUSB 3.1 Gen 2、1つのUSB 3.1 Gen 1、8つのUSB 2.0、2つのSATA Gen 3、1つのGbit Ethernetがあります。SD、SPI、LPC、I²C用I/Os、CPUの2つのレガシーUART、High Definition Audioを合わせて、機能群が一通り揃います。

 

対応オペレーティングシステムとして、Linux、Yocto 2.0、Microsoft Windows 10 (又はオプションとして Windows 7) があります。congatecは、モジュールのデザインインの簡略化を助けるために、最大54Wの性能を持つワークステーション設計、アプリケーション・レディなキャリアボード、USB-C実装などにおけるベストプラクティスのキャリアボードレイアウトや回路図向けとして、パッシブ冷却システムとアクティブ冷却システムを幅広く提供しています。また、新しい設計を市場により早く投入するために、congatecは、カスタムキャリアボードや派生モジュールの開発も行っています。

 

新しいconga-TR4 COM Express Type 6コンピュータ・オン・モジュール (CoM) は、以下の標準構成でご注文いただけます。

 

Processor Cores/Threads Clock [GHz] (Base/Boost)  L2/L3 Cache (MB)  GPU Compute Units  TDP [W]
AMD Ryzen Embedded V1807B 4 / 8 3.35 / 3.75 2 / 4 11 35 – 54
AMD Ryzen Embedded V1756B 4 / 8 3.25 / 3.60 2 / 4 8 35 – 54
AMD Ryzen Embedded V1605B 4 / 8 2.0 / 3.6 2 / 4 8 12 – 25
AMD Ryzen Embedded V1202B 2 / 4 2.5 / 3.4 1 / 2 3 12 – 25
AMD Ryzen Embedded V1404i 4 / 4 TBD 2 / 4 6 15